CROSS†CHANNNEL
まず最初にこれを勧めてくれた方にありがとうございます。
君が望む永遠に心からへこんだ方は何を感じたのかな・・・。
最初は勧められてプレイしたものの、太一(主人公)のエロバカぶりにウンザリしていた。最初の一時間はかなり印象が悪かった。
HPの作品紹介を読んでも面白そうには無い。
「止めようか」とも思ったが、久しぶりに、しかもあえて私に勧めてくれた事には意味があると思って続けた。
最初の一週間が終る頃には、不思議と引き込まれていた。自分なりの期待だと思う。
そして、数週間。キャラクター達の過去や何故群青に来たのかなどの理由が開かされていく。
当然主人公もだ。どうして主人公がそうなってしまったのか、その理由が分かった時、主人公を否定する事を止めた。壊れていたかもしれない主人公がこう変われたのは良かったんじゃないかと私は思った。
心は生まれた時は何も無い。外界からの影響でどうにでも変わる。愛情を受ける・・・虐待を受ける・・・いろいろな刺激がその人間にとっての糧になる。
私の感受性、心、脳に刺激を与えてくれた。
途中からは夢中だった。しばし、メッセージ途中で考え込む事もあった。ドキッとさせられるシーンもあった。
誰しも心に傷や、恐いもの、コンプレックスなど、いろいろ持っていると思う。その心をある意味えぐったり、隠したり、いろいろして関係を作って行くんだと思う。
社会不適応者の烙印を押され傷つくものもいれば、それを気にしない者達もいる。私は誰しも群青に行く可能性はあると思う。人は時と共に変わる。
話題を戻して一人ずつの考察から。
桐原 冬子
孤独な一人の時は気上で、誰も頼らない。その裏返しに一度気を許すと相手にとことん依存していってしまう。極端ではあるが、十分に考えられると思う。依存度が高くなければきっと群青に来る事は無かったのだろう。孤高になりきれない不器用な人間なのかもしれない。時間がかかったとしても、もし改善できたのなら素敵な女性になるのだろう。
支倉 曜子
過去から主人公と共に歩んだお姫様。器用が故に、全てを自動的にしてしまった悲しい人なのかもしれない。自らの半身として主人公をを求めるべく、自分の過去の記憶を引き摺りながら生きてきた。完璧に近いが故に脆かった一面を最後に見せた。過去の自分に出来なかった事への謝罪もあるのかもしれないと思った。ただ、頭の良い人なので気が着いてm変えようと思えばどうにでも変われると思う。
宮澄 美里
ルールを重視する人。育ちや環境でそうなったんだろう。真っ直ぐ育ち過ぎるとこうなる可能性があるんだなと思った。ルールが崩壊した時に逃げ道があればいいが、無いと壊れてしまう可能性が一番高いのかもしれない。ただ、ルールの中だけでないものをいろいろ理解出来るようになったら彼女もまた変われるのだろう。
佐倉 霧
人を見る目を持っている鋭い人。そして、熱血正義感。しかし、それが理解されなく歪んでしまった例かもしれない。周りに、数人の理解者がいたら、また全然違う人生を歩んだのだろう。主人公の隠している本性を見抜き、好きになったものを守ろうとし、嫌いなものを排除しようとする。当たり前なのだが、それが行き過ぎてしまっている。冷静な判断が出来なくなった時、彼女は壊れるのだろう。ただ、冷静で客観的にみれたのなら、全ての人を見透かせたのかもしれない。好きなものには盲目になるタイプ。つんけんしている様に見えるが、優しく、そして思いの他普通の女の子。いろいろな事を知って、これから色々な経験をしていく事できっと立派な人になるのではないかと思う。このゲームではちょっときつめではあるが、良心だと思う。
山辺 美希
主人公と付き合う事で、兵になった子。どんな時も合わせられる子。ただ、人がいないと不安定になる。孤独恐怖症なのかもしれない。しかし、自分が大事だと言う一面も持ち合わせている。この子が一番今の世相で重なるのが多いキャラなのかもしれない。最後に、自分のやった事に耐えられなくなるまでの独白シーンは、ある意味自分の精神を守る為にやった事なのかもしれない。それを越えたら壊れてしまうという事なのだろう。
七香
はじめに出てきた時はノリのいい女の子だなと思っていた。主人公と最初に笑い合っていたシーンが個人的に印象的。途中で、ガラッと変わる所でドキッとする人は多かったんじゃないのかな。最後には主人公の母親だと言うのには驚かされた。しかし、事実を知ればいつでも見守っている母親の愛情だったと思う。最後に主人公は母親の愛情を思い出したのだろう。「ごめんね・・・。これしかしてあげられなくって。」の言葉はとても印象的だったが、生んでくれた事を言っているのなら、これほど幸せな事は無い。でなければ自分はここにいないのだから。いろいろな過去を振り返り、曜子を嫌っていた理由も分かる。いろいろあったが、最後に平穏を取り戻せたのは、彼女の力が大きいものなんじゃないかと思った。
堂島 遊紗
近所の可愛い子。正直印象が薄い。主人公の良い面ばかりを見ていて、他の面を見た瞬間に恐怖で逃げ出した。私くらいの年になると、当たり前過ぎて、なにも知らない可愛い子と言う所で終わり。
桜庭 浩
男キャラで美味しいキャラ。絶妙の所での外しや突っ込まれるのは良くいるキャラクター。好きだが深く考えたりするようなキャラではないと思う。
島 友黄
綺麗な姉と一緒にいて、家族の中でぶつかり合っている。本人はつまらないギャグを抜かせば基本的には良心的。ルールを重視する姉の傍でいろいろな苦しみもあっただろう。タブーを犯すことも出来たがその後のことや、最初の踏み込みが出来なかったのだろう。もっともな怒りを持ち、私的には一番まともなキャラだと思う。
新川 豊
過去の強烈な記憶は自身を守る為に、沈めたのだろう。本人の,真面目さと合った事に精神が耐えられなかったことが、自殺を招いたのだろう。同じ状態で、自殺しないのはかなりのつわものだろう。主人公と再会する可能性があったとはいえ、不幸な巡り合わせだったとしか言いようが無い。親の影響で自らを滅ぼした例なのだろう。
黒須 太一
過去に壮絶なものを背負った主人公。血を見る事で昔の記憶が蘇り人格が変わるのだろう。
最後の選択肢に行きついたのは本人らしくて良いと思った。途中で悩み苦しみ、色々な経験をする事で短時間に解決策を見出した。
自分を装い、皆を返していくシーンは良く頑張ったと誉めてあげたい。
自分なりに一生懸命で、最後に平穏を手に入れられたのは良かったと思った。
太一よりも酷い人間はいくらでもいる。過去であり、性格であり。
愛すべき人なのだろう。ただ、最後は格好着けちゃったから、戻った皆はそれからが大変だ。特に太一を好きだった人はそうだろう。
そんなこんなでキャラ考察は終り。シナリオの作りが、途中から始まり話が進むに連れて過去が出てくる。そして、ピースが繋がっていく。最後の最後で一つになって物語が完成する。とても、斬新で難しい。でも、見事にそれが出来ている。個人的には最初さえ越えられれば後は入り込んで行くだけだと思う。
我ながら第一印象だけで決めないと思っていたのだが、改めて自戒せねばと思った。
それと、全てをやった後に主題歌を聞いた時。その言葉の意味を感じると思う。
私は最初これを聞いた時は画面を見なかった。言葉を一言ずつ拾って、考えたり、今までのシーンや、私自身の事、私の過去いろんなものが思い浮かんで鳥肌が立った。それだけの言葉を凝縮していると思う。
まあ、私が一人で考え過ぎと言うのもあるかもしれないが、今更である。
「世界と自分とを分かつ壁は、人をかたどり閉じ込める檻」
世界は周り(の人)でって考えるとしっくりし過ぎる。
「いつまでも続く毎日夢見て、痛む心を抱えてさ迷った」
友人の何人かに当てはまるかなあと・・・
「例えば孤独なら傷つくのは一人ぼっちの自分だけだと」
だから、孤独であり続ける・・・私はそうなのかもしれない。まあ、深くは突っ込まないで(笑)
幾つものキーワードがあって、そこを考えて欲しいなと思った。
やっている途中で気が付いた事。
「良いお話をただ聞くだけでは面白いとは思わない。更にそこに考える、または考えさせられる何かがある事。」
私自身考える事は大好きで、それこそ脳内麻薬垂れ流し状態である(笑)
感受性で受ける事、考える事、それを満たしてくれたこの作品に万歳。
無類のアドベンチャーゲーム好きに、心にググッと来るのが好きな人に、人とちょっと違う観点があるねと言われた人間にとってこれは素晴らしいものだった。
もっと言いたい事は沢山あるけれど、最後に・・・
本当にやって良かった。しかし、この良し悪しを分かる人がどれだけいるのだろうか?誰にでもやってもらいたいとは思わなかった。
以上です。長々と読んで頂きありがとうございました。
興味があったらやってみて、いろいろ感じて、出来るなら考えてみて下さい。
全てが出来たのなら、きっと良さが、自分なりに感じれるものを得られると思います。